168人が本棚に入れています
本棚に追加
「嘘…嘘よ……」
イヴはギャリーのコートを掴む。ギャリーの顔を見詰めながら彼の体を揺らす。
「お、おい…!」
焦るギャリー。どうすればいいのかわからず、ギャリーはただ、イヴを見ているだけだった。
「…オネェ言葉で、本当は怖がりで、でも…かっこよくて、優しいあなたのことが…私は……私は………大好きだった」
「な、何を言っているんだ…お前は…」
「思い出してよ!、そんなのギャリーじゃないよ!」
イヴは叫んだ。その瞬間、ギャリーのポケットから何かが落ちた。青く美しい薔薇……ギャリーの薔薇だった。
イヴはギャリーの薔薇を拾う。だが、その薔薇はイヴの薔薇とは違っていた。乾いた花びら、石のように重く固い茎。
ギャリーの薔薇は造花になっていた。
「あ…ああ……!」
絶望するイヴ。ギャリーがイヴの顔を下から覗くように見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!