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「ギャリー……?」
「…条件は満たしている…」
「だ、誰…?」
どこからか声が聞こえた。イヴは周りを見る。しかし、イヴとギャリー以外誰もいない。
その声はさっき、イヴが殴られる前に聞こえた声と同じだった。
「さあ、君の手でその男の記憶を呼び覚ますんだ」
「私の…手で…」
声の主は誰だかわからない。優しくイヴに語りかけるおじいさんのような声。
よくわからないけど、まだなんとかなるなら…。イヴはポケットからハンカチを取り出した。
「な、何だ…今の痛みは…」
「ギャリー…!」
ハンカチで涙を拭うと、右手をあげた。イヴはギャリーの頬をビンタした。
「痛っ!、何すんだよ!」
怒るギャリー。イヴは
「ごめんなさい…。でも…思い出して欲しいの。私のこと…メアリーのこと…あなたがギャリーだってこと…全部思い出して欲しいの。今は覚えてないよね。前もこうやって」
そう言って、今度は左手でビンタした。
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