後編

22/27
前へ
/47ページ
次へ
「い、痛い痛い!」 シエルがそうはさせんと言わんばかりにギャリーの髪を引っ張る。そんなギャリーとシエルを見て、イヴは笑う。 「もう、イヴ!。笑ってないでたす…」 助けてよ。そう言おうとした時、通路の奥から足音が聞こえた。イヴとギャリーは通路の奥の方を見る。薄暗いが姿は人のようだ。足音が近づくにつれ、正体が明らかになる。 「もう帰るのかい?。もう少しゆっくりしてればいいのに…」 落ち着いた物腰のおじいさん。服は絵の具でかなり汚れていて、彼は黄色い箱とイヴの赤い薔薇を持っていた。 「よかった。もう会えないかと思ってました」 イヴはその男を知っていた。イヴは殴られた箇所を指で示し、言う。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加