49人が本棚に入れています
本棚に追加
「早く顔が見たいな~。男の子かな?女の子かな?ん~、楽しみ~。」
子供の性別は産まれるまで知りたくない。
そう二人は決めていた。
「知るのはまだまだ先になりますよ。」
ワクワクしているディアをガルダが落ち着かせる。
「ん~……早く顔が見たいし……天界で産んじゃうってのはどう?」
「いや、下界で育てるなら普通に産まないと。それに……もしかしたら何百年もかかるかも知れませんよ?」
「え!何百年ってなに!?」
「ん……私、産まれるまで千年かかってますから……。」
「せ……千……?」
茫然とするディアに自分の出生を話して聞かせた。
聞いたディアがハッとしてガルダを見る。
「た、たまごで産まれるの!?産んでから温めるの!?千年も!?」
その年数に困惑し、涙を流して叫びだす。
「い、いや、可能性として言ったまでで、その、」
おろおろするガルダと泣きじゃくるディア。
そんな騒ぎを聞いてシャスタが駆けつけた。
「どうしたんです!?子供に何か!?」
あり得ない事態が起きたのかと、血相を変えて尋ねるシャスタ。
「お、おじいちゃん!たまごなの!?千年なの!?ディア、そんなに待てないよ!」
「え、何……」
孫娘の訴えにきょとんとする。
ガルダに話を聞き、ため息をついた。
「普通の胎児じゃないですか?母体は人型なんですから。」
「違ったらどうするの!?孵化する前にパパとママが死んじゃう!」
孫の誕生を楽しみにしているソフィアとマルク。
人間の彼らは千年も生きられない。
.
最初のコメントを投稿しよう!