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そして年が明けた3月18日。
産気づいたディアが寝室で出産に臨む。
「大丈夫。すぐに産まれますからね。女神になったおばあちゃんも安産でしたし、ディアも安産だと思いますよ。」
ガルダに手を握られたまま、シャスタの言葉に頷くディア。
あまり痛みもなく不安もない。
準備の整ったディアが力を込めた。
「はい、第一子誕生です。はは、可愛い女の子ですよ。」
リリィが赤ん坊をタオルでくるみ、両親の所へ連れて行く。
「うわ……小さくて……可愛い……。」
感動していたガルダがふと気づいた。
「シャスタ神?第一子って……?」
同じく疑問に思ったディアだったが、その意味がすぐに分かった。
「ガ、ガルダ、もう一人いるっ、」
終わったはずの陣痛が再び始まったのだ。
「ふっ、双子だったなんてっ、んーーっ」
双子の子は双子なのかと思いながら、ディアが第二子を産み落とす。
「おめでとう、ディア。第二子は男の子でしたよ。」
両脇に置かれた子供達の顔を覗き込む。
「人間の顔してる……。男の子だったら鷲の顔だと思ってた……。ガルダにそっくりな鷲の顔……。」
「でもほら、化身した私に似てませんか?女の子の方はディアにそっくりですし。」
「うん、ガルダに似て可愛い。将来はモテモテだね。」
「この子もディア似だからモテますよ。あっ!名前考えないと!」
顔を見てから決めようと話していた為、一気に二人分考えなくてはならなくなった。
「その前に産湯で綺麗にしましょう。リリィさん、女の子の方お願いします。」
そして子供達は産湯に浸かる。
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