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「どうやら普通の人間タイプのようですね。顔も鷲じゃありませんし。」
言いながら、背中を洗おうとひっくり返して気がついた。
「あれ……?赤い……毛……?」
肩甲骨と肩甲骨の間の二ヶ所から、赤い毛が生えている。
「シャスタさん、この子にもピンクの毛が生えてます……。」
「え、という事は……翼……?」
それは翼が生える前の柔らかい産毛だった。
「やっぱりガルダの子ですね。しっかり受け継いでますよ。」
蛙の子は蛙。
そんな言葉を思い出し、微笑みながら汚れを落とした。
「さあ、ひ孫達。早く名前を付けてもらいましょうね。」
呼び名がないと不便ですからと、笑って両親のもとへ返しに行く。
子供を受け取った二人は、綺麗になった顔を見て可愛さが増したと微笑んでいた。
「ディア、その子達の背中を見てごらん。ほら、ガルダも。」
シャスタに言われ、覗いてみる。
そこにはふわふわの小さな翼があった。
「ガルダと同じ赤い翼!格好いい!」
「この子はピンクの翼ですね。女の子らしくて可愛いじゃないですか。」
「ほんとだ、綺麗なピンク……あっ!」
声を上げたディアを見ると微笑んでいた。
「どうしたんです?」
「思いついたの。フラムにしよ?フラミンゴにちなんだフラム。」
「優雅に立つフラミンゴですか……。決まりですね。では、男の子には雄々しい鷲の名を……いえ、鷲の子ですから━━小型の鷹にしましょう。小さくても雄々しい鷹、ホークです。」
顔ではなく翼の色で命名された双子達。
ピンクの翼を持つ女の子はフラム。
赤い翼を持つ男の子はホーク。
翼を持つ天使のような赤ん坊は、ナイト家の癒し的存在として成長していく。
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