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「はい、パスタセットと和食セットねー」
食堂のおばちゃんっぽい人がすーっとトレーをながしてくれた。
ふむ、こういうところは異世界っていう感じがしないな。
「ヒナノーこっちおいでよー!」
席の真ん中あたりで手を振っている女子の姿が見えた。
すごく活発そうな印象を受ける。
「キーナちゃんだ~。ナガレさん、こっち来てください!」
トレーを持ったまま、ヒナノと2人で視線を浴びながらキーナのもとへ行った。
「この人ヒナノの召喚獣??」
席について早々キーナが言ったことはそれだった。
みんなそれが気になっているのか周りの女子たちが聞き耳を立てているのを感じた。
「ううん、マリナ先輩の召喚獣だって!」
えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!
あのエーアスト家の?
第一貴族じゃない!!!あの子の家つぶされるわ!!!
食堂全体が爆発したかのように一気に沸いた。
「へえーすっごいね!ってかめっちゃカッコいいじゃん!
アタシはキーナ。武術魔導科の1年でヒナノの幼馴染なんだ。よろしく」
「よろしく。俺は月島流。マリナのペットだ」
ペットといった瞬間キーナはぶはっとふきだして笑い始めた。
「あっはははははははは!超ウケるんですけどーーーっ!
人型のエラそうなアレかと思ったら自分で自分の事ペットって!あっはっはははは!!!」
「そんなにウケるところか?」
「うーん、なんていうか、意外すぎて笑えちゃう!みたいな感じですかね」
まゆ尻を下げてヒナノはそう告げた。
「だってねー、人間タイプの召喚獣っていうのはものすごく強いから自分に自信があってすっごくエラそうなのよ!
で、マスター以外の人にはすっごくなめた態度の場合が多いのよねー。
なのにナガレ君は自分のことペットなんていっちゃうんだもん!そりゃあウケるし!」
たしかに、あの強大な力が自分のもの、と思うと自信過剰になっても仕方ないような気もするが。
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