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他のキャラたちはさっさと戦地にむかってしまい。
俺のキャラだけが取り残されている。
コントローラーの異常でもないし…
「?」
おかしいのはそれだけじゃない。
なぜだかやけに部屋が明るい。
コントローラーから手を放して部屋を見回すけどなにがなんで明るいのか分からない。
青白く部屋全体が発光しているようで、日光とは違う。
いつもの俺の部屋じゃないような気さえする。
造りかけのプラモにティッシュであふれたゴミ箱、敷かれたままの布団、壊れかけでがーがーうるさいエアコン。
真夏のセミの鳴き声。
いつも通りなのに…
「なんだよこれっ…!」
視界が青に染まった。
背中がつめたい。
冬のコンクリートに寝そべっているようなそんな感覚だ。
「……ん?」
目を開けると、全く見覚えのない部屋。
真っ白な部屋に大理石のような床。
それに変なローブを付けたやつら。
そんな中でジャージを着た俺だけが異質だった。
「マリナ様…!おめでとうございます!」
視界の端で初老の男性が金髪の女の子に頭を下げているのが見えた。
部屋には初老の男性と同じく白いローブを着た人たちが数人いる。
「ありがとう。みんなの力添えあってこその結果だわ!」
「人型タイプの高位の召喚獣となれば、きっと父上も喜んでくださるでしょうな…」
「えぇ…きっとそうね…さっそく契約に移るわ」
金髪の女の子はそっと俺の近くまでやってきた。
「おい…?」
身体を起こして、女の子に声をかけるとかなり驚いた顔をされた。
なんなんだ…ホントに…
「…私は、マリナ・エーアスト。あなたのマスターになる召喚師よ」
「は、はあ…?」
マジな顔されてそんなこと言われても意味が分からん。
召喚師なんてイタコよりうさんくせー。
「あなたの名前を明かしなさい」
高圧的にそういわれて、文句でも行ってやろうかと口を開くと
「ツキシマナガレです。マスター」
口が勝手に動いた?!
しかも勝手なこと言いやがって!
「よろしい。では本契約に移るわ」
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