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ギャアあああああああああぁああああああああああァァああああア!!!!!
鼓膜を突き破りそうな音が突然空気を揺らす。
思わずベットから飛び起きて、外を見るとさっきまで明るかった空に影が見えた。
「まさか…!」
常に冷静な雰囲気をまとっていたマリナにすこしだけ焦りの色が見えた。
「お嬢様!!!ギーブルですっ!!!」
この馬車の運転手であろう声が前から聞こえてきた。
「うそでしょ…」
ギーブルっていうのがあのつんざく声の持ち主らしいが。
「おいギーブルってなんだよ」
「…普段は地底に住んでいる蛇よ。大人しいはずなんだけど暴れると手が付けられないわ」
「ほお…」
「なんでこんな昼間に地上に…!」
「魔法使いなんだろ?なんとかすればいい」
こうRPGみたいに炎で焼いたり氷漬けにしたりするノリで。
「できるわけないでしょ?!私は召喚師よ!しかも現代でまともに魔法っていう魔法を使える人間なんていないわよ!」
こわばった顔でそう叫ばれた。
「はあ?魔法使えない魔法使いとかいみわかんねーよ!」
いみわかんねーことばっか言いやがって。
「早く馬車を走らせて!」
「だめです!お嬢さま!!ギーブルがこっちにっ!!!うわああああぁぁあ!」
運転手は慌てて馬車を放棄して走り去っていくのが窓から見えた。
全力で走ってく運転手の後ろを追う黒い巨大なものが。
蛇というにはあまりにも大きすぎる巨体にしわしわにおりたたまれた蝙蝠のような翼。
鱗で包まれたその巨体は鈍く輝いている。
うねうねと巨体を動かして運転手を追っている。
あれがギーブル…
「あああぁぁっぁあああああああ・・・・」
逃げて行った運転手にすぐに追いついたと思ったら運転手は一飲みにされた。
真っ赤な目がこっちを見ている。
次はこっちを狙ってるってわけか。
「しょうがないわね…
マリナ・エーアストの名において命ずる!!ツキシマナガレ、彼のものをうち滅ぼせ!!!」
は?できわけねーだろふざけんなと言おうとした口は別の言葉を紡いだ。
「了解しましたマスター」
そういうと俺の体は勝手に馬車から降りて、馬車の前に立ちはだかった。
「ブローニングM2」
口が勝手にそういうとオレの手には、戦車に搭載されている到底人が持つような物ではない銃が現れた。
オレはそれを片手で持ち、ギーブルに向けた。
おいおいおい!むりだろうそれは!!
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