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そんなもん片手で撃ったら腕が吹き飛ぶわ!!!やめろオレ!
つーか使用用途が全然違うっツーの!!!!
俺の忠告を聞きもせずにオレは引き金を引いた。
ダッダッダッダッダッダッダッダ…
重たい振動が腕を揺さぶる。
というかこの程度の反動で済んでいることに驚いている。
当たってはいるんだろうが、全く持ってギーブルにダメージがあるようには見えない。
鱗に包まれたその体の装甲の固さがわかる。
「ちっ!ならPzF84!」
ブローニングM2を地面に捨てて、対戦車用のグレネードランチャーを手に取った。
戦車の装甲すら貫くその銃を抱えて馬車から離れギーブルまで接近する。
ブローニングM2で撃ったせいかギーブルの体には細かい傷がついている。
だがその程度では何のダメージもないだろう。
地面を蹴り、跳躍したと思ったらあの巨大なギーブルの体に乗っていた。
真っ黒な鱗はざらざらとしていてまるで鋼のようだ。
どんだけ飛んでるんだよオレは…
ぎゅああああああぁあァァァァぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
ばたばたとしおれたようなつばさを動かして、オレを振り払おうとうごめくギーブル。
振り払われて落ちそうになった瞬間にその体を土台として再び跳躍した。
重力を感じないほどに体はふわりと浮かんだ。
ゆっくりとギーブルにむけて落下していく。
上から降ってくる俺を一飲みにしようと口を開けてギーブルが巨体を起こし伸びあがってきた。
口の中には凶悪なほどにとがった歯が並んでいて血に染まっている。
運転手の血だろうなあ…
ああ、俺もこのまま一飲みか…
そう思っているとオレは落下する最中に、PzF84の引き金を引いてた。
発射されたと同時にロケットモーターに火が付き弾は加速してあいつの口を突き破った。
がああぁぁぁぁあああぁああ…
最後にまたつんざくように鳴きながらその巨体は地に伏せた。
「マジかよ…」
FPSどころの話ではない。
俺自身があの化け物を倒すなんてことアリエナイ。
この世界でなら俺は英雄になれる。
あのゲームの中と同じように。
「ふっよくやったわね」
さっきまで青ざめていた人間と同じとは思えないほど、上から目線だな。
まるで自分の手柄のように余裕だわ…とか言ってくれちゃってるし。
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