東都防衛学園で始まった細やかな悪意

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「……」 一瞬だけ泣きそうになってしまった自分に抗うように、全握力を込めて脅迫文を手中で丸め込んだ。 (なんで私がこんなことをされなければいけないの) そんな言葉は、いらない。 震えてしまっていた情けない歯に力を注ぎ、業火のような怒りを噛み締める。 とくに恨まれた覚えはないし、相手も理由を教えてはくれない。 ならば、私も理由なく怒ることこそ正当だ。 脅迫文であると共に、宣戦布告ということにしてやる。 「ぶっ殺す」
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