4人が本棚に入れています
本棚に追加
次に目が覚めると女の子の顔が目の前にあった。
「ひゃっ💦」
その女の子は僕と目が合うと慌てて後ろに下がった。
「?」
僕は頭にクエスチョンマークを浮かべる。
(誰だろう?)
女の子はそんな僕の様子に気付かずに頭を下げる。
「ご、ごめんなさい💦」
「何が?」
女の子は頭を下げたまま言葉を紡ぐ。
「私のせいでこんなことになってしまって…」
僕はそれを聞いてようやく理解した。
(あぁ。この女の子を僕は助けたのか…)
僕が黙っているとその女の子は勘違いしたのか必死に謝ってきた。
「本当に本当にごめんなさい…」
「気にしてないよ。だから顔を上げて」
僕は優しく言った。
その女の子は安心したのかようやく顔を上げてくれた。
その女の子は涙目だったが、僕の顔を見るとハンカチで涙を拭いて真っ直ぐに僕を見る。
そして、一呼吸整えると
「助けてくださってありがとうございました」
と頬を赤らめながら言った。
「ど、どういたしまして…」
僕はそんな表情をするこの女の子を綺麗だと思った。
「わ、私は中野智恵って言います」
その女の子は視線を宙に泳がせる。
「僕は黒沢直人って言います」
お互いに自己紹介を済ませる。
最初のコメントを投稿しよう!