病室で

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次に目が覚めると女の子の顔が目の前にあった。 「ひゃっ💦」 その女の子は僕と目が合うと慌てて後ろに下がった。 「?」 僕は頭にクエスチョンマークを浮かべる。 (誰だろう?) 女の子はそんな僕の様子に気付かずに頭を下げる。 「ご、ごめんなさい💦」 「何が?」 女の子は頭を下げたまま言葉を紡ぐ。 「私のせいでこんなことになってしまって…」 僕はそれを聞いてようやく理解した。 (あぁ。この女の子を僕は助けたのか…) 僕が黙っているとその女の子は勘違いしたのか必死に謝ってきた。 「本当に本当にごめんなさい…」 「気にしてないよ。だから顔を上げて」 僕は優しく言った。 その女の子は安心したのかようやく顔を上げてくれた。 その女の子は涙目だったが、僕の顔を見るとハンカチで涙を拭いて真っ直ぐに僕を見る。 そして、一呼吸整えると 「助けてくださってありがとうございました」 と頬を赤らめながら言った。 「ど、どういたしまして…」 僕はそんな表情をするこの女の子を綺麗だと思った。 「わ、私は中野智恵って言います」 その女の子は視線を宙に泳がせる。 「僕は黒沢直人って言います」 お互いに自己紹介を済ませる。
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