4人が本棚に入れています
本棚に追加
「……………」
「……………」
僕は妙な沈黙の中、静かに相手の言葉を待つ。
中野さんも何を言っていいのか分からないらしく黙っている。
病室を沈黙が包み込む。
「え、えーと…」
中野さんが何か話そうと必死だ。
「あ、あの―」
「ナオ生きてる~?」
突然、病室のドアを開け女の子がまた1人入ってくる。
「ありゃ?もしかしていい雰囲気だった?」
入ってきた女の子は中野さんを見て苦笑いを浮かべる。
「い、いえ💦いい雰囲気だなんて💦」
中野さんは真っ赤になりつつ否定する。
僕も苦笑する。
「ふ~ん…」
入ってきた女の子はなんだか少し面白くなさそうな表情を一瞬浮かべたが、すぐに笑顔になる。
「私、工藤美紀って言うんだ。あなたは?」
「わ、私は中野智恵って言います」
中野さんはオドオドしながら答える。
「なら、智恵って呼ぶね」
「は、はい💦なら私はあなたのことを美紀さんって呼びますね」
「さん付けはいらないよ~。美紀でいいからさ」
「わ、分かりました💦」
「ところで―」
工藤さんは僕の方をチラッと見て中野さんに尋ねた。
「智恵はナオとは一体どんな関係?恋人?」
最初のコメントを投稿しよう!