病室で

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「なんでもない」 僕の笑顔を見て工藤さんも笑う。 工藤さんの隣にいる中野さんも笑った。 (この2人の笑顔は本当は黒沢直人に向けられてるんだ) 僕は心の中で呟く。 今の僕ではなく、前の僕に… そう考えると少し悲しくなった。 しかし、その悲しみを無理やり押し殺して僕は笑う。 この2人の悲しい顔は見たくなかったから。 例えみんなのことを知らなくても僕は― ““偽りの自分を演じ続けていく””
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