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ピピピッピピピッ
目覚まし時計の音で僕は目を覚ます。
「う~ん…」
ゆっくりとベッドから出る。
7:30
時計が今の時間を表示している。
僕は洗面所へノロノロと歩いていく。
洗面所で顔を洗い制服を着に戻る。
「今日から学校か…」
独り言をポツリと呟く。
僕はどうやらマンションで1人暮らしをしていたらしい。
なので、家族と会うことがなく安心したが―
(学校がどこにあるか分からない…)
記憶を失った僕にとってみれば、高校2年(らしい)でも新入生のような気持ちだ。
(どうしよう…)
とりあえず制服を着て鏡の前に立つ。
おかしなところは見当たらない。
少なくとも服装は。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
「は~い」
(朝から誰だろう?)
僕は玄関の扉を開ける。
「おはようナオ」
扉の前には幼なじみの工藤さんが立っていた。
「お、おはよう💦」
僕は驚いた。
幼なじみが朝から訪ねてくるなんて…
「今日から学校始まるね~」
「そ、そうだね💦」
「だからさ…一緒にい、行かない?」
僕は内心嬉しかった。
(道が分からなかったから助かった~)
「えっ、あっ、うん」
「な、なら待ってるからさ…」
「ちょっと待っててね」
僕は一旦ドアを閉め荷物を取る。
(幼なじみがいて助かった…)
少し失礼なような気もするが今は本当にありがたかった。
「お、お待たせ💦」
僕は玄関を出て鍵をかける。
「全然待ってないよ。さ、さあ行こうか💦」
工藤さんが歩き始め、僕はそれについて行く。
マンションを出て2人で歩いていると工藤さんが話しかけてきた。
「今日もかわいいねナオ」
僕は曖昧に笑う。
“かわいい”と言われるのには理由があった。
(僕は男なのに…)
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