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一4月
世間では新学期というこの季節。
この日は入学式という新たな始まりの日だったが、あいにくの雨だった。
この雨で少しばかり散った桜並木の道を真新しい制服を着た男子高生が1人歩いている。
勠斗「入学式の日に雨かよ…」
松田勠斗。サッカーが好きで、あまり女子とは話さない。
そんな独り言を言っていると後ろから
明音「勠、おはよ」
彼女は高柳明音。明るく素直で優しい女の子。勠斗の隣近所で生まれたときからの幼馴染み。
勠斗「よお」
こいつは俺のことを昔からそう呼ぶ。
別に気に入らないわけでは無いが…
明音「雨かぁ…入学式なのにね」
勠斗「…」
明音「無視??」
勠斗の顔を覗き込む明音。
勠斗「俺、朝あんま話さねぇから」
明音「ほんと、無愛想」
呆れたように言う。
勠斗「うっせぇな…」
たいして会話も弾まないまま二人は高校に着いた。
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