4話~日向兄妹と幼児達~

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 学校が休みの土曜日。今週もわたし達の家に子供達が遊びに来ています。  最近は共働きや母子家庭も珍しくなく、よく近所のお母さん達に頼まれて預かっているんです。  わたしも子供達と遊ぶのが好きなので内心楽しみだったりします。  「おばあさんが川で洗濯していると大きな桃がどんぶらこ…どんぶらこ…と流れて来ました。」  「………。(ビクビク…)」  「おばあさんはその大きな桃を持ち帰っておじいさんと食べる事に…」  「………。(ブルブル…)」  「………もしかして…。」  さっきらか子供達の様子がおかしいので振り返ると…そこには…  「お兄…ちゃん…?」  わたしのお兄ちゃん(竜司)が何かを訴えるような表情でドアから覗いていました。  「…ひよりおねえちゃん…。」  「…ごめんね、ちょっと待っててね?」  …とりあえず、わたしはお兄ちゃんとお話をするために廊下から出ました。  「…お兄ちゃん…どうしたの?」  「いや、その…何か気になって…。」  「わたしなら大丈夫だよ。お兄ちゃんこそお化けの真似なんてしないでよ。」  「いや…あれは別に真似てた訳じゃ…」  「もぅ…本当はあの子達と遊びたいんでしょ?」  「そうだけど…ぼくが行ったら怪物か悪魔を見る目をするんだもの…。」  確かにそれは否定できないかも…。  「別にぼくは誘拐して身代金110万円を要求したりしないよ…。」  「お兄ちゃん、例えが具体的過ぎだよ…。」  「嗚呼…なんでぼくは子供達に嫌われるんだろ…?」  「顔が恐いかだと思うよ?」  「はっきり言わないでよ!それくらいぼくだって自覚してるよ!」  「…やっぱり気にしてたんだ。」  そうだ!あれなら…  「ちょっと待っててね。今作るから。」  「え?」  3分後…  「じゃ~ん!最近話題のネコミミでーす♪」  「それ…割と最近じゃない気が…てか、ソレ作るの早くない?」  「細かい事は気にしないで付けてみて。きっと可愛いくなるから!」  「ちょ…」  という訳でお兄ちゃんにネコミミを装着しました。  「…で、どうなの?」  「―――っ!?」  「え、なに?」  「ご…ごめ……なさい…に…に」  「ねぇ!?もしかして遊んでた!?遊んでたんだよね?」  とにかくわたしは必死に笑いを堪えてました。
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