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「いいか、めったに見る事の出来ないパンツを見る事は全男子にとっては至福だろう。そして同時に胸が『キュン…』てなるはずだ!」
「さっきから下着にしか興味ないのかお前は!性的な興奮と恋心を一緒にするな!」
「てめっ…!!」
楽人が怒った勢いで優真の胸元を掴み、引っ張って自分の方へ寄せた。
「俺はなパンツ以外にもブラやうなじにも興奮するし、むしろ全裸よりも脱ぎかけの方が性的に興奮すんだよ!!わかったか?」
「もう突っ込むのも面倒臭いわ!!」
「二人共、落ち着いて下さーい!!」
竜司が必死に仲裁し、喧嘩だけはなんとか防いだ。ここで優真は本題に戻そうと息を切らしつつ口を開いた。
「ぜぇ…ぜぇ…さっきから自分達の話ししかしてないけど…ぜぇ…ぜぇ…女子はどうなの…?」
「はぁ…はぁ…そうだな…。」
「こういうのは直接女子に聞いた方が良いですよ。ちょうど今、私の妹が家にいますし…聞いて見ますね。」
竜司がそう言うと半開きの窓を全開にした。
「日和ー。日和ー。居るかーい?」
隣の家の開いている窓に妹の名前を呼び続けると長い髪の女の子が顔を出した。
「なーに?どうしたのお兄ちゃん?」
この女の子の名前は日向日和(ひなたひより)。不良顔の竜司の妹で優真達と同い年(不良顔の竜司とは11ヶ月くらい離れている)の高校生で心優しく家庭的な地元のアイドル的な存在である。念の為にもう一度言うが彼女は不良顔の竜司の―――
「今の文章で『不良顔の竜司』って三回も言われましたよ!?どういう事ですかこれは!?」
「「まぁ…大事な事だし…。」」
「今、ハモりましたね!?さっき喧嘩してたばかりなのに…。」
「お兄ちゃん?どうしたの?」
「あぁ、気にしないで。竜司は今、ちょっとだけネガティブになっているだけだから…。」
「そんな事よりも日和ちゃんに聞きたい事があるんだけど…。」
「何?」
「日向さんは青春は何だと思う?」
「…青春…。」
日和は目を閉じて暫く考えた。
「…思い出かなぁ?」
「思い出?」
「うんっ!もし、皆が高校卒業したら大学で勉強したり就職したら仕事したりで忙しくなるでしょ?」
「まぁニートを除けばな。」
「余計な事を言うなよ楽人。」
「確かに世知辛い世の中ではありますが…。」
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