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「諭吉が10人!?」
「驚いたかい?ボクにとっては手元にあって当然の額だけど君達にとっては手元に及ばないんじゃない?」
「た…確かに…」
「ちなみにボクはテスト前には必ず専属の家庭教師に教わっているんだ。お陰様でこの点数だよ。」
東金城は別のポケットから結果用紙を出すと優真に渡した。
その結果を楽人達も覗き見ている。
「国語が86点!?」
「数学は90点もある!」
他には社会が89点、理科が87点、英語が85点とかなりの高得点だった。
「す…すげ~…。」
「まっ…調子が悪いから低めだけどね…驚いたかい?」
「………。」
「…返す声も無いのか…可哀想に…。せめてボクにテストの結果を教えてくれよ?」
「………。」
優真は黙って結果用紙を机から取り出した。
「あっ!せっかくだから日和ちゃんが読んでよ。」
「わたしが?」
恐らく東金城はあえて日和に言わせて屈辱を与えるつもりだろう。
日和は気付いていないが他の楽人には伝わった。
優真は結果用紙を日和に渡した。
「じゃあ読むね。国語は―――」
東金城はニヤニヤしている。
「100点!!」
「え!?」
「数学も100点!社会も100!理科も100点!英語は…97点!」
「はああぁぁぁっ!?」
「気分良い所悪いね。だけどこれが実力だよ。」
「ば…馬鹿な!カンニングしただろ!」
「え~!優真君は真面目だからそんな事しないよー!」
「でも…」
「優真君は毎日3時間は勉強してるから頭良いんだよ。」
「…本当!?」
「うん!わたし毎晩優真君が勉強してる所を部屋から見てるよ。」
「…??」
「ああ!こいつと日和ちゃんは家が隣で二階の自室の窓が向かい合わせなんだよ。」
「だから窓越しの会話も珍しく無いわよ。」
「………。」
「気が済んだ?」
「…躑躅森、…この…がり勉狼男がー!」
「はぁ…?」
「お前なんか…お前なんか…熊に内臓喰われて死んでしまえ~!」
「惨いっ!」
東金城が罵声を言って走り去った。
(本当に何なんだあいつは…?)
「それにしても英語惜しかったね。」
「うん…後3点落とさなかったら満点だったのに…」
「でも4教科満点ってスゲーよ!これなら他校でも威張れるな。」
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