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ある休日の14時半、二人の女子高生が日向家に遊びに来た。
「チャオ、日和。」
「遊びに来たよ~。」
「愛ちゃんにありさちゃん、いらっしゃい。」
日和はエプロン姿で彼女等を家に招き入れ、自分の部屋まで案内した。
「どうぞ。」
「相変わらず片付いてるねぇ。」
「お、また新しいぬいぐるみが増えてるね。また作ったの?」
彼女のベッドに置いていたフクロウのぬいぐるみを見て愛が日和に質問した。
「うん。ちょうど良い布が売っていたからつい…。」
日和は少し恥ずかしがりながらもぬいぐるみを抱きながら質問に答えた。
「本当に日和は裁縫が上手よね。」
「そういえばあんたって編物も上手だよね?もしかして練習してんの?」
「そ、そんな事ないよ…!」
「ところで何でさっきからエプロン着てんの?」
「あっ、いけない!さっき焼いたクッキーを冷ましてるんだった!今持って来るから待っててね。」
そう言うと台所に置いてあるクッキーを取りに行った。それを見送りながらピアスを付けてる綾瀬愛(あやせまな)が呟いた。
「…日和って女子力の塊だよね。」
それにグラマーな体形をした宮部ありさ(みやべありさ)が頷く。
「ホント、あそこまでかわいくて家庭的だと彼氏いないのが不思議なくらいよ。」
「逆よ逆、日和のレベルが高過ぎてチキンな男子共が狙えないのよ!(笑)」
「ギャハハハハハハ!なる程ー、納得ー!(笑)」
「でしょー!(笑)わははははー!」
「お待たせー?何か面白いことでもあった?」
紅茶とクッキーを持って来た日和が爆笑している二人に問い掛ける。
「な、なんで…も、ない…!(笑)」
「は…はらいたい…(笑)」
↑※ツボり過ぎ…。
「お口に合うかわからないけど…どーぞ、召し上がれ。」
「ども、いただきまーす。」
「…うん、ウマい!流石が日和だね!」
「日和の作ったお菓子を食べるとお店のが買えなくなるのよね~。」
「そ、そんなこと…。」
「なに照れてんのよ~。本当は嬉しいくせに~♪」
「確かに嬉しいけど…。」
和やかな空気になってきた頃に愛が呟いた。
「この中で一番女子力があるのは誰だろうね?」
この一言がきっかけで一瞬の間に空気が険悪になった。
「そうね…この際にはっきりさせましょうか…。」
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