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「ふふっ…決まりね。」
愛とありさが不敵な笑みで睨み合う中、日和は少しうろたえていた。
「ふ、二人共?どうしたの…!?」
「日和、あたしとありさ、どっちが女子力があると思う?」
「え…?ど、どっちも可愛いと思うけど…?」
「どちらかというと?」
(え、えぇ…!?)
実際、今の日和の立場に置かれた人はかなり困るだろう。
「わ、わたしには決められないよ…。」
「優柔不断ね。」
「こういう時くらいはっきりしなさいよ。」
(…あれ?何かわたし責められてる…!?)
こういった理不尽も付き物である。
「いいわ!じゃあ、あたしの女子力の基本を教えてあげるわよ!」
「何よ愛?言ってみなさいよ。」
「女子力の基本は『恋の努力』よ!」
「「恋?」」
「そう、…中2の頃にあたしの初恋は始まったの。その時、あたしは好きな異性に振り向いて貰うために積極的に会話したり、ラブレターを千通送ったり、その人の家に毎晩押しかけたりしたのよ!」
(…怖いわ!)
「積極的なんだね愛ちゃん。」
(…この天然は💧)
「ちなみに必死に告白したら泣きながらオッケー貰ったわ。…まぁ数週間であたしから振ったけど」
(元彼さん、あんた色んな意味で気の毒だよ…。)
「恋愛も大変なんだね…。」
「とにかく女の子に必要なのは恋に対する努力よ。わかったありさ?」
「馬鹿にしないでよ。女子に必要なのはオシャレのセンスとあたしみたいな豊満なボディよ!ゲップ!」
(女子がゲップすんなよ…。)
「まっ、あんたには無理な話しよね。(ぶっ!)」
(女子が屁をこくなよ…。)
「何?胸の大きなで負けて悔しいの?」
「馬鹿じゃないのありさは!?あんたのはデカすぎるのよ!あたしみたいなCカップくらいのでちょうど良いのよ?」
「なに?もしかして嫉妬してんの?」
「忠告してんのよ牛女!」
(…いいなぁ二人共、胸が大きくて、わたしなんか小さいのに…)
ひそかに貧乳である事を気にしていた日和は二人の争いを見て若干凹んでいた。
「拉致が開かないわね…。」
「いっそ男子に評価して貰う?」
「…そうね、ちょうど隣に居るしね。」
「今居るかな日和?」
「…どーせ、わたしの胸なんか…ぶつぶつ…」
((なんかイジけてる…。))
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