6人が本棚に入れています
本棚に追加
「わ、別れた!?」
「・・・うん」
朝っぱらから教室で
驚きを隠せない顔でそう言うのは
友達の橋本千里(はしもとせんり)
高校の入学式の日、携帯のストラップが同じという
ひょんなことから仲良くなった
そんな千里とは今では大の仲良しで
いろいろと相談しあう仲になっていた
「うんってあんた・・・、メチャクチャらぶらぶだったじゃん!」
「・・・・・・うん」
あたしは昨日
初めての彼氏に別れを告げられた
理由はわからない、ごめんという言葉と別れようとしか言われていない
告白はあたしからだったから
好きだったのはあたしだけだったのかもしれない
だけど、あたしたちはそれなりにラブラブなカップルだった
ファーストキスも彼だった、恋人つなぎだって自然とできた
デートでは遊園地にも行ったし、彼の家では初めての経験もした
あの時間はなんだったんだろうか
楽しかったのは、ドキドキしたのは、あたしだけだったのだろうか
いつも「好き」と言ってくれた
その言葉に「あたしは愛してる」と言って
笑い合ったりもした
だから突然のことに驚きを隠せないのは、仕方がないことなのかもしれない
あの時彼はどんな顔をしていたんだろうか
あの時彼はどんな気持ちだったのか
あの日は土砂降りの雨の日だった。
最初のコメントを投稿しよう!