prologue

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~桐生空side~  底を知らぬ闇……暗く暗き暗い闇。そんな瞳。端正な顔立ちには無と言う言葉しか当てはまらない。白い肌に真っ黒な髪。少し長い髪が風に揺られ美術品を見ている様に目を奪われる。  ……美しい。妖艶で艶やか、それでいて恐ろしさまで感じさせる。  黒い特攻服。背中には白い文字で【光龍】。回りには下から上に登る昇り龍が刺繍されている。  それを着こなす、この男。 【光龍】4代目総長  桐生 空[キリュウ ソラ] 2つ名を【漆黒の空】  誰も逃げれない。闇の深さを知る様な意味合いを込められている。  歴代総長を遥かに凌ぐ生きる伝説。彼の強さに彼の美しさに惚れ総構成員数は5千人にまで及ぶ日本最大の暴走族【光龍】。  そして空からの絶大な信頼を受け、その右腕を担う男。 【光龍】4代目副総長 武内 颯[タケウチ ハヤテ] 2つ名を【疾風の颯】[シップウノハヤテ]  風が如く早く嵐でも通り過ぎた様に似ていた事からこの名が付いた。  空と颯は幼なじみで空の理解者であり初めて心を許した親友が颯である。空も颯の理解者である。  小さい頃から何をするのも一緒だった。中学2年の時、3代目直々に空と颯を勧誘して来た事がきっかけになり2人は光龍に参加する形となった。  この頃から頭角を現していた2人はたった一年で総長と副総長に成り上がった。中3で3千人から成る光龍の頭を勤めたのだ。誰もが納得し誰もが空に惹かれ憧れた。  空と颯が街を歩けば女性全てがハートを奪われる。颯に至っては小遣い稼ぎ程度だがモデルをしている程だ。空を何度も誘って居るが一向に了承して貰えないで居る。  空には世界規模のファンクラブが設立されている。颯も空には及ばないが日本規模でファンクラブは存在する。  そんな彼等が光龍を背負っている。
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