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「イヴァンに、何を吹き込まれたか、だよ」
「あぁ、それだったな。イヴァンの奴、お前と喧嘩した日に俺のところに来て、『お前が好きだから俺には渡さない』って言ってきた、それだけだ」
機能できていない部分にストッパーも含まれていたのか、頑なだった口をあっさり割ってしまう。
「それで君は、馬鹿正直にイヴァンと俺をくっつけようとしていたって訳かい。・・・まったく。俺の気持ちも知らないで・・・」
呆れて力が抜けかけたアルフレッドに、アーサーは。
「ほ、ほら。ちゃ、ちゃんと言ったんだから、は、はやくしろよ・・・」
と上目遣いで催促してくる。
その姿に、改めて彼のことが好きなのだと再確認しつつ、唇を優しく塞いでいく。
「ん」
嬉しそうなその声に、アルフレッドの中の野獣が目を覚ましかけたが、何とか押さえた。
再び舌が絡まる。
キスに夢中になっているアーサーは、アルフレッドの肩に腕を回そうとしていたが、どうしても届ききらなかったため、仕方なく腰に手を回してアルフレッドを抱きしめた。
さっきよりさらに近くなった距離。
お互いの体温が感じられ、アーサーは幸せな気分になった。
そして、その行為はアルフレッドがせっかく押さえつけていた獣を解き放つのに十二分な役割を果たしてしまった。
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