恋人

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10キロのダンベルで筋トレしてても、元が女の体というコンプレックスがある勇希は、ガタイの良い男の体に強い憧れがあるらしい。 ゴウは、ちょっと不思議そうな顔をしていたが、それは俺も勇希に同意。 俺も油断するとヒョロヒョロもやしっくすだから。 「そ? 勇希もうちの会社で働いてりゃなるかもよ。人使い荒いから」 ゴウは細い目で笑うと、少し天パがかった短い黒髪をはねさせたまま、何かを考えていた様子で、力強い瞳で俺を見た。 「俺、今会社で建築士やっててさ。民家の設計と監理やってんだ」 突然かしこまって近況を報告し出したゴウだったが、何故か俺はそれが嬉しかった。 「そうなんだ……良かった」 なんとなく、この時ばかりは自然に笑えた。 働きながら、あんなに頑張って勉強してたもんな。 横で見てた俺まで、建築法規とか建築基準法の用語少し覚えたくらい。なんだっけ、建ぺい率? とか、容積率?
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