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「会社が生き残るのに必死みたいだからな。俺のことまで気が回らないんだろ」
並みの生活よりはきっと裕福な生活をしているように見えたゴウには、何処か心に穴が空いたような寂しげな面影が漂っていた。
「仕事頑張るなら応援したいけど……俺に関心がないことは別のことだし」
そう恋人のことを話すゴウは、俺の存在を忘れたように黒いコーヒーの表面を見つめたまま、ぼんやりと呟いていた。
恐らく、それが本音なんだろうと思った。
愛情に飢えてた俺とちょうど相性が良かったくらいだ。
ゴウは、自分に関心が薄い放置プレイには耐えられないのかもしれない。
さっき勇希が、ゴウの彼氏のことを仕事人間だと言った台詞が脳裏を過った。
純情ボーイの勇希が連れてきたくらいだ。勇希がゴウに、彼氏と俺との二股を推奨するわけがない。
きっとこのゴウの状態を見て、俺と会わせた方がいいと判断して連れてきたんだろう。
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