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『金払えよ、浜口に! ホテルのキャンセル代!!』
「わかったよ、いくら?」
『はあ!? お前、まず謝れよ! 浜口に!!』
俺のそっけない対応がますます気に入らなかったらしく、女の火に油を注いでしまったらしい。
そして、次に電話は別の女に代わり。
『……たいしくん……私……ずっと……駅で待ってたんだよ……』
大学では、明るく騒がしいお馬鹿キャラで通ってた浜口が、その欠片もなくし、苦しそうな涙声で泣き崩れるように何かを俺に訴えていた。
それなのに俺は責任を感じるどころか、何も感じなかった。
「……ごめん」
大学4年の頃、健康学科の浜口は、表面的には俺の彼女ということになっていた。
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