恋人

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そして、この野郎といえば。 俺とゴウがこんなに切迫した話をしていたというのに、「やばい、むっちゃ出たわ!!」とか言って、ガッツポーズでトイレから戻ってきやがった。 腹立つ。 「『早川先生のことがずっと好きでした。先生は結婚してるんですか? 3-A山田まいか』」 俺が例の手紙の内容を復唱すると、弱みを握られたような顔で勇希が一瞬止まった。 「ラブレターもらって、普通に捨てようとしてる奴にはわかんねえんだよ」 「めんどくせーこいつ」 そんなムカつくことを言っている勇希を無視して、俺は自分の携帯の液晶画面を確認した。 昨日から何度この作業を繰り返してんだ、俺。 あれから全然、隼哉からメールは返ってこねーし。
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