恋人

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だって、それでも会いたいなんて言ったら超図々しいじゃん、俺。 なんかせめて口実を考えて電話を掛けりゃ良かった、と俺が後悔し始めた頃だった。 『……会いたいって言ったら会いに来んのかよ』 電話の先で苛立った隼哉が無愛想にそう言い、俺は一瞬固まった。 ホワット!? 今、なんて? 『学校始まるの10日だろ? お前、なんかいつも授業準備とかで忙しそうじゃん』 「いや、俺は大丈夫だけど!」 そんなん、明日、明後日に全部終わらせておきゃいいし。 会いたい。疲れて寝てるだけでもいいから、隼哉の寝顔だけでもいいから見たい!! 思いがけない隼哉の言葉で、お通夜だった俺のテンションは一気に祭りへと急上昇した。
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