恋人

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『言っとくけど、ほんと部屋しっちゃかめっちゃかだからな』 「うん!!」 釘を刺すように喋る隼哉に対して、望むところ!! と意気込む俺は、顔がにやけてきてしょうがなかった。 電話を切った後、俺はとてもじゃないけど一人じゃ嬉しさを堪えきれなくて、ベッドの上を三回転くらいゴロゴロ回ったと思う。 『会いたいって言ったら会いに来んのかよ』ってどういうこと!? それはつまり、隼哉も俺に会いたかったってことでOK? いや、浮かれすぎるとまた変な風にスベるから落ち着け、俺!! 部屋の外では、B助サンタマリア♂(餌やってる野良猫)が、やかましく「ンガァアアアー」ってわめいていたので、奮発して刺身を出した。 俺はガッツポーズで「B助やったぞ!!」って言った後に、刺身にがっつくトラネコのB助をわしゃわしゃ撫で回した。 外の温度は氷点下きってる感じだったけど、そんなのどうでも良かった。 ついでに体力が有り余ってたから、アパートの前の坂を転げ回りたいくらいのテンションだったけど、人目が気になってやめた。
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