恋人

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だけど、付き合う気はなかった。その方が、都合が良かっただけだ。 俺の誠意のない謝罪が聞こえたのか、また仕切り屋の女に電話は代わった。 『クズだな、お前。こんな真似して、月曜覚えとけよ』 比較的、女比率が高い健康学科を仕切っていたこの女は、「女を舐めるな」と言いたい様子で激昂し、怒りにうち震えているようだった。 「だから、ごめんて」 『お前のことなんか、もう誰も相手にしねーよ!!』 死刑宣告のように、女は太い声でそう吐き捨てると、ブツッと勢い良く電話を切った。 遅れて携帯の電源を切った俺は、きっと月曜に女共から袋叩きにされるんだろうな、と思ったが、ため息さえ出なかった。 それさえも、別にどうでも良かった。 嫌われるのも、ハブられるのも、ボロ糞言われるのも、一人も、もう慣れた。
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