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俺の横に座らせるんかい!! とツッコミたくなったが、ゴウに真正面に座られてもどこ見ていいかわかんないし、気まず過ぎる。
そんな心臓が破裂しそうになっている俺をよそに、白いワイシャツにブルーとグレーのストライプが入ったネクタイをしたゴウは、落ち着いた様子で座った。
別れた直後はやり直したくて何度も会おうとしたのに、ゴウにその気がないって解ってから、立場は逆転した。
他の男とどうにかなる所を見たくなくて、俺はゴウから逃げるようになったんだ。
「お疲れさま。仕事抜けてきて大丈夫なん?」
明らかに、今まで仕事してました、って服装のゴウを見て、勇希は薄い板のようなメニュー表を手渡した。
「んん。今日、お客さんに挨拶しなきゃなんなかったからこんな格好してるけど、もう空いたから大丈夫。現場、明大前で近かったし」
勇希の質問に対して、そう自信満々に答えるゴウは、なんだか仕事が楽しそうに見えたけど、何処か知らない人に見えた。
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