名無し荘

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「歓迎歓迎、ちなみにりーくん、いくつだっけ?」  美人ジャージの組坂さんが聞いてきた。 「えっと、高校二年の17です」 「いいねーいいねー若いねー! 困ったことがあったらぜひわしに頼ってね!」  聞こえ違いだろうか、若い感じのお姉さんだと思ってたんだけど、一人称が今「わし」だったような……うん、気にしないようにしよう。人それぞれだ。 「あれだよ? 性知識はけっこう豊富だから女性とのその辺の相談もぜひぜひ聞いてね!」  ウィンクしそうな勢いだ。されたらされたで多分、美人と可愛らしさが相まって目を奪われることになるだろうから、その点ではよかった。惚れていることを本人に相談するはめになるところだったのだから。 「りーくん、スキンケアのことならなんでも僕に聞いてくださいな」  おお川田さん、その肌でそれは頼もしすぎます。 「え? え? 君ってもしかして童貞仲間??」  なんといい声だ網野さん! そしてなんてことを聞いてくるんだ! 合ってるけれども、ここは聞こえなかった振りだ。 「そうなんだ。サークルの子紹介しようか、りっくん?」  ここでノって来ないでください、大野さん。あなたは頼りがいがあると信じたいので! 「なんか大変なことがあったらボク達には関わらないでね。面倒なんで。ねーかみむー」 「うんー! だからー、そこんとこよろしくねー、りーくーん」  ……………………くそがっ。 「りーさん」
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