名無し荘

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「りーさん、私たちの仲は始まったばかりです。木下さんになんと言われようと、私たちの愛を深めていきましょうね」  にこっ。反則だその笑顔はっ!  僕は迅速に膝をつき、倉敷さんの手を取り、手の甲へ紳士のようにキスをする。 「貴女の笑顔のためなら僕は悪にでもなりましょう」 「はい――!」  ああ、この笑顔になら殺されてもいい! 「ま、まあとにかく! りーくんが上手くやっていけそうでなによりです。さあみなさん、呑みましょう!」  なんと締めは丸井さん(妻)でした。なんだかんだ、この人が一番頼りになりそうです。  それから程なくしてテンパホストが仕事に向かい、お酒が呑めない僕はひたすら、絶品とも思える料理を倉敷さんと食したのだった。冗談抜きで倉敷さんはいい人だ。小学生での一人暮らしは人間力を高めてくれるみたい。いい奥さんになる。僕にロリコンの趣味はないのだけれどね。……ほんとです。
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