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「フハハ、そうであろう。やはり私の目に狂いは無かった」
胸をドンと張って、腰に手を当て威張るチキンクリスプ滝川。
こいつに理解されたちまったみたいで悔しい…!
「俺だってなんで女の前だと、その、なんだ、ベジタブルチキンになるのか知りてえよ!」
なぜか俺は涙目になっていた。
「安心するがいい。そのためにこのチキンハーツ部があるのだ」
不意に俺の心の隙をついたように言う。
「…え?」
「チキンハーツ部とはベジタブルチキンの病の者を仲間と助けあい、乗り越え克服するために存在する。改めて歓迎しよう。斗盛、ようこそチキンハーツ部へ!」
「まだ入部するなんて言ってねえよ!」
ったく、大体なんだよチキンハーツとかベジタブルチキンとか名前のセンスなさすぎだろ。
チキンクリスプ滝川とか自分で名乗って恥ずかしくないの?
「斗盛よ、お主自分を変えたくはないのか。青春は、一度しかないのだぞ!」
なぜこいつの言葉はこんなにも胸に響く…!
俺だって、このまま青春をこんな歯痒い気持ちで毎夜枕を濡らして終わらせたくはない。
「ったくよ急に連れて来られたと思えば…」
俺は諦めてたかもしれない。こいつと出会わなければ。
まだ遅くない。取り返せるか俺の青春?
取り返せるさ!
まだこれから!
「しょうがねぇ。チキンハーツ部、入るよ、俺。そして…自分を変えてみせるよ」
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