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学校から駅までの道のり、空や町並みは夜の暗さに包まれつつあった。
澪、平沢さん、箏吹さんの三人はなにやら楽しそうに談笑している、
その光景を眺めるように、少し後ろを田井中さんと並んで歩いていた。
「彩千、ありがとな…。」
前を見つめながら、田井中さんは呟くような一言。
「まだまだ、これからだよ。」
ようやく始まりの場所に立てた、そしてこれからもっと頑張らなければいけない。
「最初さ、澪が何もかも忘れて帰ってきた時、怖かったんだ…」
田井中さんは、眩しい光を見つめる様に少し目を細める。
「このまま時間がたって、いつか澪は私の知らない他の誰かに変わるんじゃないかって…、そんな気がして怖かった…」
取り繕う様な笑顔で語る。
「そんな時、彩千に会った。」
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