エピローグ

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… …… 「お久しぶりです、彩千先輩、澪先輩…。」 重い沈黙を破ったのは中野だった。 表情を変える事はなく、氷刃の様な冷たい言葉での挨拶。 やはり敵意は消えていなかった、 澪が退院したあの日… 澪が軽音部を拒絶したあの日から… 中野は笑わなくなった。 「それじゃあ、お疲れさまです。」 中野は、立てかけてあったギターケースを背負い部室を出て行ってしまった。 そして、また訪れる重い沈黙。 すると、険悪な空気を察した箏吹さんが優しく話しかけながら歩み寄る。 「久しぶりだね、澪ちゃん!。」 が、澪は俺の背中に隠れてしまう。 「こん…にちは…」 風でかき消されそうな微かな声ではあるが、澪はあいさつをした。 「ごめんねっ、驚かせちゃったよねっ、今ケーキとお茶のする準備するからゆっくりしていってね。」 箏吹さんは笑顔を絶やすことなく澪に優しく話しかけてくれる、澪も少し緊張が解けたのか背中から出てきた、勇耶の袖を掴んだまま。 これ以上自分が軽音部に居たところで、場の空気が悪くなるだけなので去ることにした。 「じゃあ澪、俺はもう委員会行ってくる、一時間くらいで終わるから、…田井中さんよろしくお願いします。」 澪の顔にはまだ不安の色に満ちてはいるが、弱々しく頷き、俺の裾を掴んでいた手をゆっくりと離す。 「鯛焼き…」 「あぁ、帰りにな。」 澪の頭を一撫でして部室を後にした。
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