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体を重ねる毎に、強くなる思いと裏腹に、どす黒く広がる感情もあった。
なんで、体だけしか欲してくれないの?
私は、あなたじゃなきゃ駄目なのに
なんで、なんで、なんで……
そんな事を考えては、自分なんか存在しなければ良かったと、自傷行為に走った。
何処まで落ちれば
何処まで落とされれば
あなたは
私は
満足出来るのでしょうか?
歪んだ愛情は、感情は、欲望は、
この先、何処へ行くのでしょう
「実くん………、好き」
「…………俺も、だよ」
ふわりと口元だけ笑った彼は私の頭を撫でた後、浴室へ消えた。
(そばに居られるだけで、いい)
もう、私は、多くは望まない。
望んではいけない。
求めたって、手に入らないから。
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