好き。

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「ケーキ?」 「口直し」 そう言って箱を突き付けるから受け取るしかなかった。 「好きだろ?」 「うん、好きだけど」 「キョウのもあるから」 驚いてしばらく立ち尽くしてしまった。 それからキョウの部屋のドアをノックして呼びかけたけど、返事はなかった。 寝てしまったのかな。 仕方なく自分の分だけお皿に乗っけて冷蔵庫に閉まった。 小さなピンクの丸いケーキ。上はムースみたい。 なんの味だろ、いちごかな。 もしかしてあたしの哀しげな顔を見て買ってきてくれたのかな。 それを見てるとニタニタしそうで、部屋で一人で食べることにした。 うん。味わって食べよう。
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