好き。

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「何してんの?」 「見りゃわかるだろ。ケーキ食べてる様に見えるか?」 「そりゃ見えないけど」 「早く部屋戻れって?」 「いっ……言ってない。……いればいいよ。好きなだけ」 「じゃあ、そうする」 そう言いながらタバコの煙をくゆらす。 隣に行きたいな、なんて性懲りもなく思ってしまった。 だけど、行ってはいけないもんね。 「こっち来る?」って簡単にヤマ兄はあたしの決心を揺るがすことを言う。 こんなんじゃダメだ。 だけど、断るのも可笑しいかな。 迷いながら「うぬ」と言って、結局隣に座った。 月はどうやら隠れてる。
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