好き。

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「確かに、アサは変な男に海へ投げ込まれたけど。投げ込んだ奴がどうして附学なんだ?」 「いいよ。気を遣わなくても。反省してるよ。 だってその所為でサッカーだってやめたんでしょ? あたしを助けた所為で。附学の頭倒した所為で」 「サッカー?……頭?ああ、あのことか」 少し思い出した顔をした。 「確かに、附学の所為で部活はやめたけどさ」 「ほら、やっぱり。 あたしさえ海に投げられなければ……。 助けなければ良かったのに。 ヤマ兄の好きなこと奪ってごめんなさい」 膝を抱えたまま、頭を深く下げた。 やっと、ちゃんと謝れた。
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