好き。

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「お前がキスしてるとこ見るのが嫌だ。兄妹でも」 「……へっ?」 「あと、アサを守れなかったのも自分に腹が立つ。 髪だって……。恐かったのに、ごめんな」 その手があたしの頭を撫でて毛先へ流れた。 「ヤマ兄、悪くないよ?」 「タカイチの前だけで泣かれるのも嫌だ」 なんで知ってんだろうって思った。 「アサを見てると、嫌なことが多くなる」 「文句ですか?」 きっと見上げてみた。 その顔は何故か、少し苦し気に見えた。
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