好き。

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「妹だもんね?」 「違う。妹じゃなくて」 「えっ?妹じゃない?」 「妹だったらこんなことしたいと思わないだろ?」 そう言うと、あたしの背中に腕を回して抱きしめた。 あたしの身体はヤマ兄の大きな身体にすっぽり収まった。 ヤマ兄に、こんなことされたことなくて。 あたしはどうしていいかわからない。 「……お前の好きな奴って誰だ?」 「……えっ?」 「考えたくないのに考えてしまう好きな奴って誰だ?振られたって本当か?」 耳元で囁かれる声に、顔が一瞬で熱を持った。 「そんなこと憶えてたの?」 「ずっと気になってた。誰が好きなんだ?」
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