素っ気ないのは。

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キョウが木の下からあたしを心配そうに見上げていた。 「下りれない!」 「上れないよぉ!」 「キョウの馬鹿ぁ!」 「あーちゃん、は……は……はしご」 「そんなのないよぉっ」 そう言うと、またずれ落ちて行く。 「右足!」 ヤマ兄の声だった。 「みみみみ……右足?」 右足の下には木の枝があった。 そこに足を乗せろってことかな。 だけど、伸ばしても届かない。 少し下がればいいんだろうけど。 「こ……恐いよぉ」 「大丈夫!そこからなら落ちても怪我しないから!」
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