素っ気ないのは。

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「高いとこ恐かっただろ」 「平気だよ」 「あっそ」って言って、腰をあげた。 「ほら、やるよ」 手渡されたのは虫カゴで、中にはクワガタがいた。 「だから、泣くなよ」って言って、寝そべるあたしにチュッと口づけた。 それから何故かヤマ兄が横にしゃがんでいて、 あたしを見てニコニコと天使の輪でもつけてそうな微笑みを向けて、「ブース」と言った。 あたしはそれを見て嬉しそうに笑ったかと思えば、 キョウが「あーちゃん!クワガタの餌持ってきたよ」と手に大きな大根を抱えて泥だらけで立っていた。
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