素っ気ないのは。

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ヤマ兄が好きだなぁって、コトコトいう心音を聞いて思った。 ヤマ兄もあたしが好きなんだ。 なんだか未だに信じられない。 もしかして嘘かもしれない。 いや。でも、信じていいんだよね。 悪いことを考えると、また悪い考えを引き連れて来てしまうみたいで、不安になる。 でも、やっぱり信じたい。ヤマ兄だもん。 だけど、このことは誰にも言ってはいけないんだろうな。 こればかりは幾ら、我が家族であっても、 言ってしまえばぎこちなくなってしまいそうで恐い。 キョウからだってヤマ兄のことで「兄妹だからね」と念押しされたことがあるし。 タカ兄だって、キョウとあたしがふざけてるだけで 「変態兄妹」って変な顔で言ってたし。 お母さんだって、親だし。 きっとショックを受けてしまいそうな気もするんだ。 とりあえず、高校を卒業するまで、とかかな。 あたしがヤマ兄と血が繋がっていないということをお母さんの口からちゃんと聞いて、 それからちゃんとキョウやタカ兄にも説明して、 認めて貰おうと思う。
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