素っ気ないのは。

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◇ その日、髪の毛をボブにした。 明るい色も似合いそうと美容師に言われたけど、やっぱり染めなかった。 だって、髪の毛染めたら痛んで伸びるの遅くなっちゃいそうだし。 また、触って貰いたいなぁ、なんて思ってるあたし、よこしま。 短いあたしに見慣れないせいか、 家に帰ってから何度も鏡を見た。 色んな角度から見てみた。 変ではないとは思う。 ヤマ兄は予備校で留守だった。 どう思われるのかドキドキして帰りを待っていた。  「あーちゃん」 そんなあたしの背後から忍び寄る影は、「可愛い」と後ろから抱きついてきた。 ソファの上であたし、飛び跳ねてしまいそう。
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