強がり。

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ヤマ兄の黒いバイクは近くのコンビニの横に隠れる様に止まってた。 まだ、無言であたしは困惑してる。 さっと炎のメットをあたしに被らせた。こんなの一人で被れるのに。 「ヤマ兄、そんな顔で出かけるの?」 右頬が少し腫れて、何で切ったのか、口元が切れてる。 そっとハンカチをあてたけど血が固まってカピカピ。 仕方なく絆創膏を貼ってあげた。 「お前もその髪で行くのか?」 「……髪。あああっ!」 慌てて、平安時代の流行り髪をほどく。 「ヤマ兄が、急に連れ出すから!」 結局、メットを外してサイドにひとつに結んで流した。 携帯をブレザーのポケットから取り出すと、「今、出れるのか?……うん。今から行くから」と誰かに電話していた。
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