素っ気ないのは。

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向かいあって食べるけど、なんとなく会話もない。 疲れてるのかな、なんて思うとなんとなく口をつぐんでしまった。 「何かあった?」 そう訊いたのはヤマ兄。 「ないよ」 「そっか」 そこからパタリと口を閉じた。 「皿洗っとく」と言うと、手早く洗い物をすませて部屋を出て行った。 勉強かなぁと思いながら。 まあ。思えば前からこんな感じだったし。仕方ないか。 好きだって言われたって、ヤマ兄の優先順位は勉強には変わらないみたい。 それであって欲しいけど。 だけど、好きが繋がると欲張りになるのかな。 もう少し、一緒に居てほしいと閉まったドアをいつまでも見詰めていた。
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