2969人が本棚に入れています
本棚に追加
「何?」
シャーペンを持つ手が止まった。
眼鏡がずれたのか、軽く眼鏡のブリッジを押し上げた。
「あたしのこと……」
「ヤマト―!」
勢いよく、ドアがノックもなく開いた。
泣きそうなキョウがいた。
心臓がヒヤリと冷えた気持ちになる。
良かった。何もしてなくてと同時にほっとした。
「ヤマト、勉強教えて」
「はっ?」
「勉強教えろよ」
「どうした?」
「テストやばいんだよ!また赤点とったら呼び出しくらうよ!」
手には教科書や参考書の山。
キョウの焦り具合が痛いくらい伝わる。
それから、「あれ?あーちゃんもいたんだ?」と奥にいるあたしを見た。
最初のコメントを投稿しよう!